2020年3月期通期決算について

代表取締役社長 兼 執行役員
早川 与規

これまでユナイテッド株式会社のHP上で「投資家の皆さまへ」として、四半期毎に決算のダイジェストをお伝えしてまいりましたが、今回より本ブログに場所を移してご説明いたします。

以下、本日発表いたしました、2020年3月期通期決算について要点をご説明いたします。詳細につきましては「2020年3月期通期決算説明資料」をご覧ください。

中期経営計画「UNITED2.0」において、前年度を「投資期」、今年度を「集中期」と位置付けました。その「集中期」にあたって事業の選択と集中を行い、ユナイテッドグループとしての事業ポートフォリオを再構築いたしました。その結果、第4四半期においては全ての事業セグメントにおいて営業黒字化し、新たな事業ポートフォリオを下記の通り位置づけました(DXプラットフォーム事業についての詳細は、金子のブログをご覧ください)。

通期決算ハイライト
1) 全体 売上高209億11百万円(前期比△24%)、営業利益51億1百万円(同△54%) 事業セグメント別営業利益推移は、下記のグラフの通りです。今年度第3四半期までの先行投資期を経て、第4四半期において全事業セグメントにおいて黒字化、2021年3月期の成長に向けての土台作りが完了しました。

2) アドテクノロジー事業
売上高63億07百万円(同△2%)、営業利益5億99百万円(同+1,146%)
事業トレンドを鑑みて、売上高の追求ではなく収益性を重視する運営に移行したことにより、売上高は前期比微減となっていますが、営業利益は前期比+5億51百万円と大幅増益となりました。事業運営の効率化および広告仕入枠管理の徹底により、売上総利益率が改善したことが要因です。

3)  ゲーム事業
売上高25億29百万円(同△5%)、のれん償却前営業利益△1億35百万円(+163百万円) 
売上高は、新規タイトルの不振により前期比△5%となっている一方で、のれん償却前営業利益は株式会社トライフォートの受託開発事業への転換、その後の再編等により赤字額が縮小しております。「ココッパドール」は撤退を決定、その他既存タイトルは効率的な運営を継続することにより、今後の利益創出を図ります。

4)  コンテンツ事業
売上高50億51百万円(同+8%)、のれん償却前営業利益△79百万円(同△68百万円) 
年度別推移では、売上高は主力事業であるキラメックスの成長により前期比+8%の増収となりました。のれん償却前営業利益は、主に上期までに実施した先行投資により前期比では減益となっておりますが、四半期別推移では第3四半期に事業ポートフォリオの整理を完了したことにより、第4四半期に黒字転換しております。

5)  インベストメント事業
売上高70億75百万円(同△49%)、営業利益65億49百万円(同△51%)
株式会社メルカリ、および、株式会社サイバー・バズの株式売却等により、売上高70億75百万円を計上いたしました。今期末の営業投資有価証券残高は209億92百万円となっております。引き続き、有望な企業への投資を継続してまいります。

6) 配当
配当性向20%の方針に基づき、期末配当は2円を予定しております。年間配当としては13円となる予定です。

2021年3月期通期業績予想について
現時点では非開示とさせていただきます。新型コロナウイルス感染症による当社業績への影響が不透明なこともあり、今後合理的な予測が可能になった段階で速やかに開示を予定しています。 
現時点における一つの目安として、連結営業利益50億円以上を目指してまいります。

中期経営計画「UNITED2.0」について
2022年3月期を最終年度とする中期経営計画「UNITED 2.0」については、この度取り下げる判断をいたしました。計画策定時からの内部・外部環境の変化、および、2020年3月期の当社業績を勘案した上で、中期経営計画「UNITED2.0」とその定量目標(メルカリ株式売却益を除く、のれん償却前営業利益:コミット目標50億円、チャレンジ目標100億円)を取り下げさせていただきます。また、新型コロナウイルス感染症の当社業績への影響が不透明なこともあり、現段階では新たな中期経営計画の策定は予定しておりません。DXプラットフォーム事業とインベストメント事業を中心に、新たな事業ポートフォリオで収益の成長と企業価値の最大化を目指してまいります。

経営体制の変更について
本年6月開催の2020年3月期株主総会を経て、経営体制を変更予定です。
変更の背景としては、1)中期経営計画「UNITED2.0」取り下げに対する経営責任の明確化、2)今後の成長期待事業への注力を図るべく経営陣の役割分担を明確化、の2点です。
2012年12月に合併しユナイテッド株式会社としてスタートして以来、私と金子の二人が代表取締役を務めてまいりましたが、今回私のみが代表取締役となり、経営の最終責任者として全体の意思決定や代表取締役としての職務にあたります。金子は、引き続き最注力事業であり成長期待事業であるDXプラットフォーム事業とインベストメント事業の担当取締役としてコミットします。また、出岡は新規事業担当執行役員として新規事業立ち上げに、山下は経営管理本部担当執行役員として経営管理の更なる強化にコミットします。このタイミングで、他の執行役員陣を含め全員が現場に一層近い場所で戦略実行にあたり、今後の成長軌道を確実なものとしたいと考えております。

DXプラットフォーム事業について
DXプラットフォーム事業の、DX(デジタル・トランスフォーメーション)は昨今の社会的テーマとなっています。弊社DXプラットフォーム事業は、「企業のトランスフォーメーション」と「個人のトランスフォーメーション」を支援することで企業と個人の成長に資することをミッションとしています。その詳細につきましては、上述の通り金子のブログ を参照いただければ幸いです。
ここではDXプラットフォーム事業を構成する2社について、概要をご説明いたします。 
キラメックス株式会社は、プログラミングやアプリ開発を学べるオンラインスクールであるTechAcademy(テックアカデミー)の運営を中核に、TechAcademy受講者を対象としたキャリア支援事業も行っております。オンライン教育需要の強い高まりもあり、受講者数や売上高が順調に成長を続けております。
株式会社ブリューアスは、弊社グループ会社であった株式会社トライフォートより2020年2月に新設分割、連結子会社化いたしました。主にスマートフォン向けアプリの受託開発事業を運営しております。これまでにセブン銀行様の「かんたん通帳」やテレビ東京様の「ビジネスオンデマンド」など、多くの大手企業のアプリ開発実績があります。

最後に
最後になりましたが、新型コロナウイルスでお亡くなりになられた方々、ご遺族の皆さまに謹んで哀悼の意を表すと共に、罹患された方々の一日も早い回復をお祈り申し上げます。また、医療従事者の皆さま、私たちの日常の生活基盤を支えるために現在も出勤を続けられている皆さま、そして各方面で新型コロナウイルスへの対処にご尽力いただいている多くの皆さまに、心より感謝申し上げます。 
弊社でも2月下旬より在宅勤務を継続しており、現在までのところ大きな問題なく事業が運営できております。新型コロナウイルスの収束時期を現時点で予測することは困難ですが、この在宅勤務期間中におけるさまざまな学びを今後に活かし、企業価値の最大化、顧客への本質的な価値提供、チームユナイテッド全員の健康な生活、社会への貢献等を前提として、我々の組織や働き方のあり方を根本から見直す機会にしたいと考えております。

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